読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

経済をわかりやすく正しく理解するためのブログ

内容はブログ名そのまんま! 日常の経済ニュースを専門的、学問的な見地からわかりやすく読み解きます。

経済学の大法則 フィリップス曲線を本質から理解する

私たちの身の回りのモノの値段、つまり「物価」は、マクロ経済学において重要なテーマの一つです。その理由として、経済学におけるもっとも大きな発見の一つ、フィリップス曲線があります。今回はフィリップス曲線についてみていきます。

 

フィリップス曲線とはフリップスが初めて公表した、「物価と失業率は逆相関の関係にある」という関係のことを指します。簡単に言い換えると、

 物価が上がる(インフレ)⇔失業率が下がる

 物価が下がる(デフレ) ⇔失業率が上がる

ということです。これは、どんな経済状態の国でも一般に成り立っています。

 

ですから、中央銀行を中心とする政策実務者は、国家の責務として、インフレになるように政策を決めます。なぜならインフレにすれば失業が減り、雇用が生まれるからですね。

 

このフィリップス曲線は、定量的にこの関係が正しいことがデータでしっかりと示されています。そこで次に、この関係の定性的な裏付け、つまりどういう仕組みでこの関係ができるのかについてもできる限り簡単に説明しておきます。

単純化するとフィリップス曲線の成立プロセスはこうなります。

 

物価が上がる→企業は売上高が増える→従業員の賃金はすぐには上がらないので、企業は利潤が増える→企業が積極的に雇用を増やす→失業率が改善

 

物価が下がる→企業は売上高が減る→従業員の賃金は下げられないのでリストラなどで対応→失業率が悪化

 

このプロセスの本質は、①賃金の動きは物価よりも遅い、②企業は賃金を上げることはできても下げることはできない、という点にあります。実際、①は「賃金の遅効性」、②は「賃金の下方硬直性」として知られています。

 

物価と失業率は大きな関係があることがわかりました。事実日本でも、長く続くデフレの影響で、失業率は高い水準のままでした。アベノミクスで物価がプラスになってから、失業率は劇的に改善しています。これはまさにフィリップス曲線からわかることのであり、長く続くマクロ経済学の正しさを改めて証明しているものです。ですからこれからは物価と失業率という二つの指標も見て、経済を判断していきましょう。

 

クルーグマンマクロ経済学

(おすすめ本)